ライフサポート学会奨励賞

小池麻美さんが2011年3月5日にライフサポート学会奨励賞を受賞しました.

2011年 ライフサポート学会奨励賞

受賞研究の概要

難病者や障害者の方が脳波で意思疎通ができるシステムを開発したいと思いこの研究を始めました.
そこで,進行性の神経疾患であり,症状が進行することで構音障害を引き起こすことにより,
本人の意思を伝えることが困難になる筋委縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis : ALS)に着目しました.
本研究では,ブレインコンピュータインタフェース(Brain Computer Interface : BCI)に着目し,
脳波を用いたインタフェースの開発を行うことを目的としました.
本研究では,1チャンネルからの脳波計測実験を行い,α波とβ波に着目し,特徴量抽出を行い,
その結果からインタフェースのon-offの動作を行うことを検討しました.

受賞したときの気持ちを教えて下さい.

非常に嬉しかったです.
この研究は,一から始め生体計測の方法,プログラム,解析手法について一年間かけて学んできました.
なかなか最初は上手くいかず,ひたすら脳波計測を行っていました.
その後,プログラムや解析手法を勉強し,大晦日に解析を行っていたのは今でも鮮明に覚えています・・・
頑張った結果,このような賞を受賞でき,嬉しい気持ちでいっぱいです.

今後,この研究をどのように活かしていきたいですか.

現在は,大学院でリハビリ工学の勉強をしています.
将来的にALSの意思疎通が困難な人や脳梗塞などでリハビリが必要な人に有効な
リハビリシステムを開発したいと考えています.
この研究は大学2年次に参加したシアトル研修において,
国立VA病院でリハビリ支援や評価を行っている研究施設を見学し,
最先端医療に触れ,障害者支援の研究に興味を持つようになりました.
今後も世界も視野に入れ,この賞を受賞したことを励みに,
障害者の方々を医療情報の観点から支援して,社会活動につなげていきたいと思います.

最後にこの研究を進めるにあたり,一から指導をしてくださった山下和彦先生に感謝申し上げます.
また被験者として付き合ってくれたゼミ生,
研究が行き詰ったときに話しを聞いてくれてゼミの仲間に感謝の気持ちでいっぱいです.
この研究は一人では決して進めることができなかった研究です.
みんなのお陰で受賞できました.ありがとうございます.

(編集:島 和恵)