東京医療保健大学 医療保健学部 医療情報学科

☆教育方針

統計学教育について

 現在,いろいろな大学の各学部学科で統計学に関する教育がなされています。あくまで私見ですが,その多くは数式を前面に出し,教育を受けた者に「統計学は数学の一部」と錯覚させるものになっている気がします。確かに統計学を深く学ぶ上で数学は重要な役割を果たしますが,それは決して統計学を飲み込むものではないと考えます。本ゼミには,「これから統計学を学ぼう!!」という学生が集まってきます。まずは,この学生たちになるべく「数学」を意識させず,「科学の手続き」としての統計学を疫学を含めて教育していきたいと考えています。その後は,学生のニーズに合わせて,「データマネージメント」や「より専門的な統計学(数学を用いる)」など統計学が利用される現場を意識した教育へと発展させ,本学の目指す,「現場に興味を持ち,現場に根付いた人材」の育成に寄与したいと考えています。

教材

 私が製薬メーカーに勤めた経験があることも関係しますが,「科学の手続き」としての統計学を学ぶに当たり,臨床研究はとても良い教材になります。特に,製薬メーカーが行う医薬品開発のための臨床試験(治験)の分野で取りあげられてきた問題は,現在の医療現場で広がりつつある「Evidence based ○○(根拠に基づいた○○)」とも深く関連しています。これから,医療の現場で統計学を武器に活躍を期待される学生に,臨床研究は最適な教材になると考えます。

育成したい人材

◦いろいろなデータに興味を持てる
◦データに接するにあたり,データ周辺の勉強を怠らない
◦データの収集において計画の重要性を認知している
◦バイアスの怖さを知っている
◦あるレベルのデータ分析ができる
◦データを通じて何かに貢献することに喜びを感じられる

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