概要
近年,医療関連分野においては,Evidence Based ○○という言葉が浸透しつつあります。人を対象にして行われる科学的な研究(臨床研究)は,このevidenceを与えるものの1つであり,医師,看護師,医薬品メーカー,医療機器メーカーなどによって数多く実施されています。また,IT技術の進歩により各種医療関連データはデータベース化され,それらを用いた疫学研究の実施も広がりを見せています。こうした状況を鑑み,当ゼミでは,臨床研究や疫学研究におけるデータの収集・管理・分析に焦点を当て,データを介した科学的アプローチの理論と分析手法の習得およびその実践力の向上を目標としています。この達成に最適と思われる題材である,医薬品開発を目的とした臨床試験(治験)の話題を通して,現場に立脚したデータ管理者,生物統計家の育成を目指します。
目標
•データを科学的に眺められる
•データ収集のデザインを理解する
•データ管理の重要性を理解する
•JMPを用いて主なデータ分析ができる
•SASを用いて主なデータ分析ができる
内容
◦データサイエンスの基礎
◦因果推論
◦疫学研究
◦バイアス
◦指標
◦バイアスと指標と標準化
◦臨床試験概論
◦確率と確率分布
◦確率変数の合成・色々な確率分布
◦中心極限定理
◦区間推定
◦1標本の検定
◦2標本の検定
◦多標本の検定
◦検定の考察・例数設計
◦回帰分析・相関分析
◦重回帰分析
◦多変量解析
◦JMPによるデータ分析
◦SASによるデータ分析
使用アプリケーションソフト
◾JMP
◾SAS
参考図書
「宇宙怪人しまりす 医療統計を学ぶ」(岩波科学ライブラリー)
「基礎から学ぶ 楽しい疫学」(医学書院)
「ロスマンの疫学 科学的思考への誘い」(篠原出版新社)
「臨床試験ハンドブック ―デザインと統計解析―」(朝倉書店)
「これからの臨床試験」(朝倉書店)
「統計なんて怖くない リカと助手の看護研究ゼミ!」(精神看護出版)
「医療統計学入門 -エビデンスを正しく見分けるための考え方-」(オーム社)