東京医療保健大学 海外研修レポート

シアトル研修
—Visiting nurse of service,在宅ケア,ライフライン,
テレホントリアージ—

栗原彩乃

得られた成果、着眼点

Visiting Nurse Servicesの概要

過去

1893 アメリカの在宅介護の始まり。
自己管理の仕方を指導していた。
リリアントモードが始めたと言われている。
1929 コミュニティナースオブシアトルが設立。
ここはシアトルで1番創めの在宅ケア会社である。
営利目的ではなく非営利組織であった。
1年間の訪問   21740件
訪問はじめに掛かる費用   1.25$
2時間目   +0.75$
夜・休日   1.50$

Visting Nurse Services of the northwest
この会社は女性3人が立ち上げたものである。

現在

理学療法士・作業療法士・言語療法士・ソーシャルワーカー・ 看護士・準看護士・ヘルパーが働いている。

現在の雇用223名
看護師80名ソーシャルワーカー3,4名
理学療法士40名準看護師5名
作業療法士5名ヘルパー6名
言語療法士3,4名
創立から2006年までのトータル
訪問98423件
患者6684名
インフルエンザ患者45560名
チャリティケア1658639$

チャリティケア:コミュニティに入っていない人。お金が無く、条件を満たしている人には無料

これからの方向

病院より家出のケアを望む人が多いと考えている。また、病院ケアよりも在宅ケアより負担費用が少ない。 そのためこれからは在宅ケアに向かうと見られている。 ITヘルスケアが発達し、手書きの記録を基に請求をしていたものが電子化される。 実際に訪問する人がオフィスに行かず訪問先に直接行けるようになった。 しかし在宅ケアが増えるにつれ問題もでてくる。

団塊世代がケアを必要とし、需要が増えるとともに看護士、理学療法士が不足。 専門家雇用は医療に対する知識を要し、ソフト・ハードとも知識を持つ人材が必要になる。 コンピューターのシステムダウンにも対応できるよう考えなければならない。

実際に在宅ケアを行う人のトレーニング

新人ではPCが使えない者もいる。また普段使うPCとは異なる点がある。
そのため4日間集中トレーニングを行う。

PCについて
PCに記載されている内容
PCに記載する内容
臨床ノート

PC記録は直接フォームには入らない。コピーして1日2回アップロードする。

ライフラインについて

利用者(サブスクライバー)はボタンを首からかける。 緊急時等このボタンを押すと自動的にセンターに連絡され30秒以内に話ができるようになっている。 モニターしている人と話ができる機器も同時に設置される。

ライフラインの機器

ボタン
ライフラインのボタン
ライフラインのボタン
モニター
対話機
ライフラインの対話機
ライフラインの対話機

利用者の95%が救急でない。誰かと話がしたい等可能なものであれば24時間、1日の回数制限が無く使うことができる。 ちょっとしたケアが欲しいのであればどこに連絡したらいいかを指導。

5%は救急で、救急にいくかどうかのプロトコルがあり救急救命士が病院に行くかを決める。 モニターしている人が利用者の地元の消防署に連絡し状態を伝える。

救急仕分けプロトコル

話せない人、ボタンを押してから反応が無い人に対し,
    7回電話
        →反応がない
        →リスポンダーに連絡
            →いない
            →消防署に連絡

病院にいった際、24時間以内にFAXで連絡される。この利用者が帰ってこられる状態であればまたライフラインを利用する。

利用者は基本的に在宅ケアを受けている人だけでない。ライフラインの使用のみもできる。石の処方契約もなくてよい。

若い障害もちの利用者もいる。


病院は医師から情報がFAXで送られてくる。→内容をデータベースに入れる(一般情報・保険に加入しているか・体の状態・知っておくべき自宅情報)
これらをアドミッション部が記録し、実際に在宅ケアに向かう人にハードコピーが渡される。支払いは事前に許可を要するものか? またその支払いに上限はあるか?何回の訪問で終わるか?等も記載されている。

ここでは1日2回アップロードされる情報と時間のギャップがあること。リアルタイムではない。

医師が在宅情報を変更すれば記録してある情報とは異なってしまう。→電話やFAXで連絡し、連絡事項をまたデータベースに記録。
ドクターのオーダーもつくる。

医師にチェックしてもらう。(同じフォームで作成するからデータベース化は容易)
ポータルはあるにはあるがまだ使われていない。

HOMEバウンド

家から出られない人に限り受けられる。
Care conditionをみる(入院⇔在宅ケアを無駄に重複してないか?)

どういった診療科の人が必要か?→ケア計画、これからの方向、能力

国の標準←採点される
何回患者が病院に運ばれたか?
    1,2年後パフォーマンスに対しての支払い。いいケアに対してはいい支払いがなされる。
    患者のアウトカムで支払いが80%が平均的。
    10%がよいケアでボーナスが出る。残りの10%はよくないケア。
日本ではいいケアをすると料金は加算される。

医療ITが進む→記録に一貫性を持たせることができる。

テレホントリアージ

保険と病院が一体(こういったシステムの走りでもある)となり会員制。
45年前からトリアージの概念はあり、当時から救急の過剰使用が目立ったために始まったシステム。 日本では医師会が強いためこういった決定権が看護師たちに与えられていない。 アメリカでは余計な医療に掛からなくてもいいよう医師が看護士をサポートした。

コールセンター
コールセンターの様子
コールセンター

24時間365日年中無休
医療に関する事ならいつでもOK。
看護士は遠隔で7−8名
遠隔利点

トリアージ

患者の状態でどのくらい緊急か仕分けすること。
どこに連絡したらよいかをトリアージしてあげる。
診療所から他の医師の紹介や、時間外診察したい場合、重症ではないが不安な点がある時。
→これにより救急費用削減
目的は正しい認識の教育、医療の無駄使いを防ぐ。

患者が救急に電話した際、実際には救急につながらずコールセンターにつながる。
標準化されたものでトリアージするため受け答えする看護士が違っていても同じ答えを返し一貫性がある。

電話がきたら、住所、一番重症だと思う症状を聞く。→これが一番大事。これを基にガイドラインの選択をする。
一回の電話で8,10分ほど時間を使う。

トリアージの種類

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