東京医療保健大学 海外研修レポート

TACOMA COMMUNITY COLLEGE

野村 英雄

タコマコミュニティカレッジで得られた成果の着眼点

  1. アメリカの医療制度と現状の良し悪し
  2. マネジドケアの重要性(アメリカの医療の流れ)
  3. RHIAとRHIT

詳細

アメリカの医療制度と現状の良し悪し

アメリカの医療制度

→メディケア、メディケイトを除いて公的保険がなく、医療保険が民間保険会社により提供されているのが問題

マネジドケアの重要性(アメリカの医療の流れ)

保険診療の5/6はマネジドケアの管理下

患者は自由に医師や医療機関を選ぶことはできず、すべての疾病に際して最初にプライマリ医(家庭医)を受診しなければ保険料が支払われない

マネジドケア

医師以外の第三者が医療内容に介入し、医療を経営的観から管理制限、医療コストを低下させようとする マネジドケア組織はプライマリ医をゲートキーパーとして使い専門医への紹介、検査、入院などの高額な費用がかかる医療の利用制限をしている。 無駄を省くことで経営向上させている。


RHIAとRHIT

AHIMA(診療情報管理士協会)

これからのアメリカの医療は、医療的分析能力は重要視され、医療情報の質管理向上のために、RHITやRHIAの存在が重要である。

感想

ここで学んでみて、アメリカがすべて良い医療体制を構築しているわけではないことがわかった。
例えば、
  1. 無保険者5000万人
  2. 医療保険が5000種類程ある。(複数加入している人の管理が大変。)
  3. ICD-9からICD-10への移行ができていない。
  4. 医療費の削減課題
  が挙げられる。

医療費の削減は、どの国でも重要課題である。 その中、シアトル研修全体で感じたことは、各訪問した医療施設それぞれが、「医療費削減」をテーマに、独自に力をいれていることである。 特に、在宅ケアやテレフォントリアージなど「情報〜IT〜」を駆使して病院を使わずに、病気の緩和や相談ができる方法を取りいれ始めている。これによって病院は、本当に医師の診療が必要な患者のみ処置ができるので、余分な診療費用がかさむことを避けることができる。 これらように、ITシステムを使った新しい医療体制を構築する医療機関が増え、このようなシステムを構築できる医療情報の人間は、ますます脚光をあびてくるのではないかと考える。

私は、診療情報管理士として、「質の高いデータを作る」、「それを分析する」ことを大事にしていきたい。 そして、分析した結果から自分の病院で何が求められているかを知り、大学4年間で学んだIT技術等を利用し、院内のシステム構築をしていきたいと思う。

今後の課題として、テレフォントリアージを日本に取り入れてみたい。 そのためには、どうするべきか、じっくり検証していきたいと思う。

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