東京医療保健大学 海外研修レポート

シアトル研修レポート

杉山 真理

私は、シアトル研修の中で訪問「Visiting Nurse Services=在宅ケア会社」で、特に興味を持ったものを紹介したいと思います。


はじめに

「Visiting Nurse Services」について簡単に説明したいと思います。「Visiting Nurse Services」とは、看護師、準看護師、理学療法士、 作業療法士、言語療法士、ソーシャルワーカー、ヘルパーなどが、患者の自宅で看護ケアを行う営利を目的としない在宅ケア会社です。 主な目的は、平均在院日数の減少による医療費の削減です。また、条件に満たした人であれば、無料で在宅ケアも受けることができることも特性の一つであります。


「Visiting Nurse Services」で学んだことの一部

アメリカの在宅医療の将来性について紹介していきます。これからの在宅医療は、病院ではなく在宅で同じような治療を行える、 つまり“回復”する施設となることです。実際にアメリカでは、病院でのケアでなく家でのケアを好む人が増えてきており、費用も在宅であれば入院するより格段に安くなります。 つまり、医療費の削減が可能となります。しかし、ベビーブーマの高齢化に伴い、医療の需要が増えますが、専門家が不足していくことも在宅ケア会社でも問題点となってしまいます。 これから看護師や理学療法士の人材のカバーの仕方、訪問にかかる移動動時間についてなどを、調整していかなければなりません。 日本でもこれからベビーブーマの高齢化に伴い、医療費の削減などから、在宅ケアを利用する人が増えてくることでしょう。その際に、医療関係者がどう在宅ケアと関わっていくか、地域でどうネットワークを作っていくかが重要となってきます。また、健康に年老いていく人ばかりではありません。健康に年老いていく人も加齢はさけられないので、そのような人々がいきいきと過ごせるためには仲間作りや、家族との交流、保健関係者が健康上のトラブルを受け止められるような地域社会作りも大切になってきます。例えば、介護センターのようなキーステーションを地域の身近に作ることなどが挙げられます。

感想

私はこの研修で、予防医学、健康教育、地域医療などがこれからの医療でのキーワードとなってくるとこを学びました。現在の日本の医療の問題として、救急車がタクシー代わりとなっていること、 救急患者のたらいまわし、専門家の不足…などがたくさん挙げられます。日本はかかりつけ医を持つ人が少なく、その個人を知った上で、なおかつ必要なときに健康上のアドバイスを専門の人に受ける機会が非常に難しいのが現状です。 特に病気になった場合、どういった科に診察にいけばいいかなどもわからない。つまり、かかりつけ医がない、相談ができないなどの理由から、大きな病院に患者が集中してしまいます。重要なこととしてかかりつけ医を持つことや、 保健所の機能がより住民の身近なところにあれば、健康の相談にのってもらえます。 国民の健康教育の内容として、まず予防接種を奨励し、接種率をあげることです。アメリカでは肺炎の予防接種を行うことで,高齢者の肺炎予防を実施し,成功をおさめています。これによって、感染率がさがり予防医学となります。 しかし、任意の予防接種(インフルエンザ、水痘、おたふく、B型肝炎)はとても種類が少ないです。昨年や一昨年に、結核が青年層から多発した例からも、予防接種は重要なことであります。また、予防接種をしたかどうかを確認する時期が3歳時検診の次が、 就学時検診となるので、学童期や青年期でも確認できると良いと考えます。また、予防接種の全額負担などをすることによって、蔓延を防ぐこともできる可能性がひろがります。長期の視点をもって予防注射の内容を広げていくことで、日本の予防医学の水準もあがってくるでしょう。 最後に、印象に残っている言葉の1つとして、「問題点をとらえることは難しい」があります。自分の間違っている点を素直に認めるところからはじめることを忘れずに、これからも勉強はもちろんのこと、日常生活をすごしていきたいと考えました。

シアトルの夜景
シアトルの夜景

シアトルでできた友達

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