アメリカの保険制度は私立の保険会社から保険を買い、その健康保険は雇用主が提供している場合が多い。 そのため、失業すると保険も失うことになる。また新しく仕事が見つかっても新しい職場での保険は半年から1年後にしか効力を持たないものがほとんどである。
文書化の内容は多種多様な規則を持っている医療機関に対して採用されるように作成しなければならない。また保険会社から見ると、 医療請求の資料(診療記録・文書類など)は医療機関ごとに様々な形式であった。その理由として請求は保険会社のみに対して行うものであったからである。
1970年代前半にアメリカンホスピタルアソシエイションと保険会社、または保険業界が集まり医療請求の標準化を行った。また同じ頃、 標準化研究所がAHAと病院・保険業界のために電子データの標準化を行った。
一般対象者(患者)はプライバシーとセキュリティーに関して懸念を示すようになり、同時に医療費の増加と医療に対するアクセスの度合も懸念の対象となった。
HIPPA法はHIPPAがHippopotamus(カバ)のHippoに似ていることからカバをシンボルマークとしている。プライバシーとセキュリティーの保護のベースラインを決定したものであるため HIM(診療情報管理士)にとってとても重要な法律である。
HIPPA法の意図としては
また、HIPPA法は5章構成である。内容としては、
患者の診療情報をどのようにして守秘するかという規則について定めたものである。そのためHIMにとって1番大切な規則となった。
しかし、法的な医療・診療記録には定義が与えられなかった。また、医療情報の使用と開示についても定義されなかった。 逆に医療情報交換センターという定義はされ、その後この新業界は大きく発展した。
上記の3社がカバーされている団体または、適応されている組織によって医療情報の使用・開示に関する規則を定めている。 内容としては、以下の通りである。
使用開示ルールというのは個人のプライバシーに対す権利とコミュニティーのそのデータに対する必要性のバランスをとるのが目的である。 つまりこのようなルールには許可が必ず必要になるものの例外事項がたくさんある。その中でいかに適切な対応を行うかは非常に重要であるということである。 (例:公衆衛生上の問題…伝染病予防)そのため医療機関および保険会社に対して事業上の相手に責任も持たせた、医療機関内でサービス提供している組織類をすべてビジネスアソシエイトという名でまとめ独自で管理することとした。しかしHIPPA法のもとに付与された権利であったが、PHIのコピーを入手し誤っていれば 訂正・修正するためのアクセス権利も与えられたのである。(プライバシー法監修に対する通知とPHIの使用開示に対する権利)
診療情報関連のプライバシーに関して個人の権利を認め、保護することが初めて法律で定義された。しかし、各場所での解釈の仕方により矛盾点が多かった。そのためHIPPA法と州の法律のどちらが優先されるのか1つ1つ比較検討しなければならなくなった。
セキュリティー規則というのは電子医療情報に関わるもののみを取り上げている。
セキュリティー規則の中でも基準・標準は、すべての人が使わなければならないものと、100%義務ではないが該当する場合、 自分のところの状態・条件に従って使うべきという条件が付いている基準に分けることが出来る。
セキュリティー規則の目的は
この規則の重要な点として何をしなければならないかは定義しているが具体的に行う方法は示していない。そのため拡張性と柔軟性があり 診療所から大きな病院まであてはめることが出来る利点がある。問題点は特にないが、PDAの持ち運びはプライバシーとセキュリティー保護の目的上問題となっている。
法律・保険制度・文化・環境など日本とは違うアメリカが、現在は「特権」である医療を本当は「権利であり皆平等に受けるべきである」と考えていたり、 標準化や電子化に対しても日本とあまり変わらないことがわかった。日本だけが良い医療を行っているわけではなく逆にアメリカだけが良いわけでもないと思うが、お互いの良い部分をもっと取り入れ独自に作り出していくことは医療をよりよくするための方法の1つだと感じた。実際、今回見たシムマンもその1つだと思う。看護学生にかかわらず医療に携わるには患者への対応は不可欠であるし、1人1人症状が違うのも事実である。それをいかに実際に近い形で行うかと考えるとシムマンはとてもよいシステムだと思った。 日本にも同じような人形はあるがそれを操作することが出来ないでいる。日本も技術者がシステムと同じようにもっと発展できればいいと思った。また予防医学について少し話を聞く機会があったが ほとんど意識されていないことがわかった。日本でもまだまだ意識されていないほうだと思うが、日本ほど簡単に医療を受けることが出来ないのに予防医学を考えないのはどうしてなのだろうと不思議に感じた。